5/11 源兵衛川清掃奉仕活動「中止」のお願いと現地立会いの実施

5月11日(日)午前、市内の自治会や関係団体による「第34回三島の川をきれいにする奉仕活動」が開催されました。グラウンドワーク三島では、三島ホタルの会、源兵衛川を愛する会との連名で、昨年度に引き続き、源兵衛川での清掃奉仕活動の「中止」を、三島市長及び中郷用水土地改良区理事長宛に、文書でお願いさせていただくと共に、作業当日、渡辺専務理事、インストラクター、職員など9名が参加して、現地でのお願いも実施させていただきました。

 住民・企業・NPO・行政のパートナーシップにより清流がよみがえった源兵衛川には、静岡県レッドデータブック絶滅危惧1A類(東部地域)の「ホトケドジョウ」や、「ゲンジボタル」などの貴重な水生生物が生息しており、3月から6月は「繁殖期」にあたります。

 この期間中に、源兵衛川に多くの人々が入り、河川内を歩き、ヤナギモなどの流水中の水草を除去することは、「三島の宝物の生き物」といえるホトケドジョウなどの生息に悪影響を与えることになり、従前の水辺環境に多大な環境負荷を与えるなどの危険性が想定されることから、5月11日の源兵衛川の清掃活動の「中止」をお願いした次第です。

 ゲンジボタルは、水がきれいで、緑が豊かな、大気の澄んだ地域にすんでいます。5月上旬から成虫になります。卵は、産卵から1カ月後の7月頃に孵化して、1.5mmほどの幼虫になり、巻き貝のカワニナを食べて成長します。翌年3月までに、6回脱皮して終齢幼虫となります。3月下旬頃の雨が降る晩に上陸し、水際などの湿地や岸辺の土中に「土まゆ」をつくり、その中でさなぎになります。

 今年も、三島メディカルセンターから水の苑緑地周辺付近で、ゲンジボタルの羽化が始まっています。現在、多くの幼虫が「土まゆ」の中で羽化を待っていることから、生息場所である水際・川岸を踏み荒らさないように注意が必要です。

 源兵衛川の清掃活動については、3団体の責任において、自治会等の協力をいただきながら、ホトケドジョウの繁殖期やゲンジボタルの産卵・孵化期が経過する7月上旬以降に実施いたします。ふるさとの川の生物多様性保全する活動への皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

5月11日源兵衛川の清掃奉仕活動に係るお願い事項の提出について

来る5月11日、三島市内で「第34回三島の川をきれいにする奉仕活動」が開催されます。

 このうち、源兵衛川については、ホトケドジョウゲンジボタルなどの水生生物の繁殖期である3月から6月に多くの人々が川の中に入り、河川内を歩き、ヤナギモなどの流水中の水草を除去することは、「三島の宝物の生き物」といえるホトケドジョウなどの生息に悪影響を与えることになり、従前の水辺環境に多大な環境負荷を与えるなどの危険性が想定されます。

 そこでグラウンドワーク三島では、三島ホタルの会、源兵衛川を愛する会との連名で、5月11日の源兵衛川の清掃活動の「中止」について、三島市長と中郷用水土地改良区理事長宛に提出したところです。

 源兵衛川の清掃活動については、当団体の責任において、自治会の協力をいただきながら、ホトケドジョウの繁殖期やゲンジボタルの産卵・孵化期が経過する7月上旬以降に実施する予定です。また、清掃活動当日は、源兵衛川流域において環境配慮のお願いを実施する予定です。

 ふるさとの川・源兵衛川の生物多様性を守り育てるために、皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。

第5回「プロジェクト未来遺産」(日本ユネスコ協会連盟)に源兵衛川が選定・登録

 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟では、「未来へ伝承すべき遺産」として、100年後の子どもたちに地域の文化や自然遺産を残し、伝えていくことを目的にする「未来遺産運動」の取り組みの一環で、「プロジェクト未来遺産」の登録を進めています。これまでの4年間に、全国39ヶ所でのプロジェクトが登録されています。

 今回、第5回「プロジェクト未来遺産」において、当法人の「ドブ川化した川を市民力を結集して蛍が乱舞する清流に再生・復活」プロジェクトが、全国10プロジェクトのひとつに選定・登録のはこびとなりました。静岡県では初登録となります。

※未来遺産運動に関しては、日本ユネスコ協会連盟ホームページ内の未来遺産運動ブログをご参照ください。

http://www.unesco.or.jp/mirai/

9/28 源兵衛川中流部ちゃんかけ拾い・外来植物除去作業(三島中央病院の皆様と)

源兵衛川第4ゾーン・時の鐘橋〜源兵衛橋の区間のちゃんかけ拾いと外来植物除去作業を、医療法人志仁会三島中央病院の職員の皆様、源兵衛川を愛する会、グラウンドワーク三島インストラクター・スタッフ等30人で実施しました。

 最初に、グラウンドワーク三島の小松幸子理事長より挨拶させていただき、源兵衛川の概要について説明させていただき、作業をスタートしました。

 ちゃんかけ拾いは、三島中央病院の職員の皆さんが中心に作業しました。夏場より低い気温のもと、サンダルで川に入ると「冷たい!」との声があがりましたが、約1時間、川から上がらずに丁寧に作業を進めていただき、土嚢袋1袋分のちゃんかけを回収することができました。

 また、時の鐘橋の下流側の左岸の20m区間で外来植物の除去作業を実施しました。ここには土砂が堆積しており、在来種のセキショウやジュズのほかに、要注意外来生物に指定されているキショウブ等が大繁殖しており、刈込ばさみ等を使用して、在来植物の手入れと外来植物の除去を行い、ゴミ袋10袋分を回収することができました。

 あわせて、子どもたちには、グラウンドワーク三島インストラクターの仲田芳文さんの指導により、たも網を使った生き物さがしを行いました。時の鐘橋付近で、アブラハヤ、トウヨシノボリ、サワガニ、コオニヤンマ・ダビドサナエの幼虫(ヤゴ)、ヌカエビなどの、たくさんの魚類や水生動物をつかまえることができました。

 作業終了時には、参加者の皆さんと共に、つかまえた生き物を確認し、源兵衛川の生態系の豊かさを実感しました。観察後は、生き物を川に逃がしました。作業の最後には、源兵衛川を愛する会の越沼正さんからもお言葉をいただきました。参加者の皆さん、たいへんありがとうございました。


 グラウンドワーク三島では、今後も、医療法人志仁会三島中央病院様と共に、源兵衛川のふるさとの川づくりを進めていきます。

9/14源兵衛川中流部環境再生ワンデイチャレンジを開催

 グラウンドワーク三島では、市民・NPO・企業・行政のパートナーシップで清流がよみがえった源兵衛川の生態系保全活動として、数年前より、自然環境の復元再生を目指した「外来動植物一掃・草刈り・土砂搬出」を実施し、水辺環境の再生を進めています。

 今回は、第4ゾーン・中流部の三島中央病院から三島メディカルセンター沿いまでの約300m区間のエコアップ(環境改善)を進めるために、繁茂したジュズダマミゾソバ等の在来植物の手入れ(草刈り)と、堆積土砂の除去作業を行いました。源兵衛川を愛する会、流域住民、グラウンドワーク三島インストラクターに加え、三島高等学校の2年生・教職員18人にもご参加いただきました。

 作業前には、源兵衛川を愛する会の越沼正さんや広川敏雄さん(広川建設代表)から、源兵衛川の概要やこれまでの環境再生の取り組みについてご説明いただきました。続けて、広川さんより、本日の作業方法と、草刈鎌等の道具の正しい使い方についてレクチャーを受けました。

 作業の前半は、源兵衛川・三島中央病院沿いのホトケドジョウ生息環境再生区間の在来植物の手入れと外来植物の除去に挑戦しました。こちらが、作業前の様子です。

 草刈り鋏や草刈り鎌を使い、右岸に繁茂した在来種のミゾソバジュズダマを30cm程度残して刈り取りました。刈った在来植物はグリーンバックに詰め、階段上のトラックまで運んで積載します。体力が必要な作業を1時間以上行い、2トントラックの荷台一杯の植物を除去することができました。


 作業終了後は、このようになりました。

 後半には、三島メディカルセンター沿いの左岸の堆積土砂の除去を進めました。7月21日のワンデイチャレンジの際より水量が減った結果、左岸の堆積土砂が目立つようになったことから、ツルハシや剣スコップを使って掘削し、左岸の岸辺から50cm位まで、水が流れるようになりました。

 作業終了時は、参加者全員で、川の中に生えているミシマバイカモに付いた植物の茎などをきれいに取り除きました。高校生には、遊歩道の掃き掃除等に積極的に取り組んんでもらったのが印象的でした。

 およそ2時間の作業で、当初の作業目標を無事達成することができました。参加者の皆様、半日間の作業、たいへんお疲れ様でした!

 グラウンドワーク三島では、引き続き、源兵衛川のふるさとの川づくりに向けて、外来動植物の除去作業や生息空間の再生創出などに取り組んでまいります。皆様のご協力をお願いします。

朝日新聞デジタルで源兵衛川・ミシマバイカモが紹介されました

 2013年8月31日付の朝日新聞夕刊(第3版)の1面、及び朝日新聞デジタルにて、源兵衛川中流部・第5ゾーン・水の苑緑地南端のミシマバイカモ群生地の写真が掲載されました。

 ミシマバイカモは、キンポウゲ科の水中花です。手のひら型の浮葉が特徴で、楽寿園小浜池で発見されたことからこの名がつきました。水温が一定で、きれいな水を好むことから、「清流のバロメーター」とも呼ばれています。かつて湧水が豊富だった三島では、源兵衛川などで咲いていましたが、1960年代以降、環境悪化が進行し、三島市内からは姿を消してしまいました。これを受けて、三島ゆうすい会やグラウンドワーク三島では、佐野美術館所有の湧水池を借りて、増殖基地となる手づくり公園「三島梅花藻の里」を造成し、これまで約20年間にわたり、市民ボランティアの皆様と共に、ミシマバイカモを大切に守り育ててきました。数年前からは、増殖したミシマバイカモを源兵衛川に移植を進めています。今回紹介されたミシマバイカモの群生地は、グラウンドワーク三島インストラクターの山口東司さんにより、大切に守り育てられてきた場所になります。


 また、源兵衛川のミシマバイカモや水辺散策を楽しむ親子、貴重な生き物等について取り上げた動画が、Youtubeに公開されています。ぜひご覧ください。

 群生地のミシマバイカモは、まだ見頃です。佐野美術館西側の三島梅花藻の里では、1年中、可憐な白い花を観賞できます。ぜひお立ち寄りください。



8/8源兵衛川中流部で生き物さがしを開催

 源兵衛川中流部(第4ゾーン・三島メディカルセンター沿い)での生き物さがしを行いました。三島市内外の小学生から高校生、保護者など60人が参加しました。

 出発地点の三石神社では、本日の講師の加須屋真先生(トンボ・生態系担当、常葉大学非常勤講師)、関川文俊先生(魚類担当、常葉大学附属環境防災研究所研究員)から挨拶いただきました。続けて、グラウンドワーク三島インストラクターが、富士山からの湧水の仕組みや源兵衛川の環境悪化と環境再生の取り組みの経緯などを、簡単に説明しました。

 その後、源兵衛川沿いを歩きながら観察しました。三島中央病院沿いは、グラウンドワーク三島が、絶滅危惧種ホトケドジョウの生息環境再生ゾーンとして整備している箇所です。加須屋先生と関川先生に、魚類とトンボの立場から、詳しく説明していただきました。

 三島メディカルセンター沿いに到着後は、関川先生から、たも網を使った生き物の探し方のレクチャーを受けた後、参加者で川の中に入り、生き物探しに挑戦しました。川の中には、水中花・ミシマバイカモが花を咲かせており、参加者の子どもや保護者も入り込んで、たも網にかかった生き物に目を輝かせていました。講師の先生やグラウンドワーク三島インストラクターは、子どもからの質問に、優しく、専門的な知識を交えながら交流している姿が印象的でした。参加者は、短時間でたも網の中に生き物を追い込む技が上達しており、川縁の水草や石をひっくり返して、たくさんの生き物をつかまえることができていました。


 生き物探し終了後、つかまえた生き物を解説しました。静岡県レッドリスト絶滅危惧1A類のホトケドジョウをはじめ、ドジョウ、アブラハヤ、タモロコ、カワムツカマツカ、オイカワ、トウヨシノボリ等の魚類、オニヤンマのヤゴ、コオニヤンマのヤゴと成虫、ダビドサナエのヤゴ、シマアメンボ等の水生動物について、加須屋先生と関川先生に、丁寧に解説していただきました。観察会終了後、つかまえた生き物は川に逃がしました。

参加者の皆様には、ふるさとの川・源兵衛川にすむたくさんの生き物に触れることで、川の恵みや生物多様性の重要性を感じていただくことができたと思います。